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[赤坂]あの素晴らしい味をもう一度 しろたえのチーズケーキ、たけくまの担々麺

あれも食いたい。これも食いたい。赤坂での私はまるで東海林君のようだった。週に一度の外食ランチのために、平素は手弁当を15分で食らいその後はひたすら散策、新店を見ればメニューをipod touchで撮影し予約可かどうかを尋ねショップカードを頂く。オペレーションがこなれた頃を見計らって食べログを参照、良さげであれば訪ねる。感想は個人的なエクセルにまとめ、食に強い関心があると見受けられた方、またほかの人から聞いて頒布を求めた方と共有する。ただしその際は先方の認める良い店をお知らせいただくのが条件。

たった二つであった。

これだけデータを積み上げて、これだけ手広く蒐集して、会社の移転を目前にした私がどうしてももう一度食べたいと思ったのはたった二つの料理だった。

一、しろたえのレアチーズケーキ
二、たけくまの担々麺

一、しろたえのレアチーズケーキ

しろたえのレアチーズケーキは兎角官能的である。
レアチーズケーキでありながら純白なのは生クリームを周りに塗っているからである。
クリームチーズは重たくなく軽い。軽いにも関わらず緻密で濃厚である。水切りせず空気を含ませ混ぜているからだという。底のビスケットも実直でよろしい。一切れずつ買えばそれぞれに美しい緑のピスタチオが乗っているのだが、最近一粒ではなく三分の一が乗っているように思われてものさびしい。にしたってホールで買えば一つぎりしかピスタチオが乗っていないところ、一切れずつであればそれぞれにピスタチオが乗って居る所は割得だ。
丹念にフォークを入れ、底のビスケットがはがれないよう気を付けながら口に含むと、まずそのなめらかが口腔を和ませる。舌と上顎で圧をかければさしたる抵抗もなくほどけてゆく、しかしながら何の抵抗もないわけではない、非常に濃密なクリームチーズの旨み持ちながらなおなすがまま、その矛盾が美しい。

美味を考える。

化学的な美味はわかりやすい。甘いの酸いのの話は数値化できるからだ。だが、舌触りなどの物理的な美味はあまり語られていないように思われる。しろたえのレアチーズケーキがことほどさように官能的であるのは、その絶妙な甘味、クリームチーズの滋味に加え、水切りせずに空気を含ませているが故の滑らかさにあるのだろう。

世界中に誇りたい銘品である。

二、たけくまの担々麺

12時7分にいったら20人待ちであった。
しかしながら「これだけ待ったんだから私たちも十分居座っていいわよねー」という謎の信条をお持ち系列の厚顔女子を敏腕店員さんが次々と追い出した結果21分には席につくことができた。
赤坂はラーメン不毛の地である。
一方で担々麺は有毛の地である。
ちょっと脳みそを巡回しただけでも、うずまき、希須林、頤和園と、うまいものを提供してくれる店に行きあたる。

が。

最終的に「もう一度食べたい」となったのは、たけくまであった。

たけくまのスープは、何しろごゆい。

自分のエクセルには
「ごまのポタージュスープやぁー! 」
とある。

それほどなのだ。

麺は出しゃばらず、とりたてていうほどのことはない。
辛みは担々麺成り。
何よりそれより、ごまなのだ。
ごま。
ごまのスープ。
誰もがなじんだすりごまを、これほど滑らかに仕立てるとはだれが想像したろうか。
舌全体を包み込むその官能に欣喜雀躍するのである。

ひき肉が
「最初の段ですくっておかなければ底に沈んで取り返しがつかなくなる!」
と危惧させるところもなおよろし。

そして杏仁豆腐。
もはや戦犯である。

多めにとって口に含むと、舌が感応するんですな。
舌がこうありますでしょ、そのよこのちょっと薄いひらっとしたとこ。
そこが全力で気持ちいいっていいやがる。
こんなことは最前なかったから困惑した。

これだけ赤坂で飲食店を周りながら、この二つしか記憶に残らなかったことに驚愕した。
しかしながらこの二つは、他所と引き比べて一位を目指したわけでなく、ただ、独自を追求した結果の美味に思われる。

記録より記憶に残る店。

頻々と口にされるが、もし赤坂において私が問われれば、この二つと言ってためらうことはないだろう。
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ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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