この時期になって春画展を見に行く人に送りたい安全鑑賞のためのいくつかのTipsと見せかけた所感集

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70分待ちでした。

今更Tips
・寒い折です。自信のない方はカイロ等持参しましょう。
・飲料も持参しましょう。ただし飲みすぎると鑑賞中に列の途中で抜ける羽目になるので気を付けましょう。
・待ち時間に美術手帖の春画展特集など読んで気分を盛り上げましょう。周りの人の羨望も集められます(妄想)。
・展示は4階から、牛歩戦術よりなおひどい進みように心が折れそうになりますが、大丈夫、展示室は2階までしかありません。
・細部が見どころなので、我慢して最壁際の列に並びましょう。横入りするよりマシです。てか横入りする奴がいるから蝸牛になるんだよぉぉぉ。いい加減にしろよぉぉぉぉ。
・四階展示室の絵巻物はいきなり稚児之草紙(ただし当時ものではなく江戸時代の写本)で盛り上がれます。今回は「自分に気があって気があってしょーがんない坊さんが菰被ってるところにそっと尻を差し出してやる稚児を離れた縁側から生暖かく見守る先輩の稚児」のシーンでした。(わかるか)
・次の展示の絵巻物はこれまた皆御存知袋法師絵詞で盛り上がること必須です。例の「女の園を夢想して尼寺にもぐりこんだところ世間にばれたらあかんから袋に入れられたまんまあちこち運ばれて尼僧を悦ばさせられまくって腎虚になってとうとう逃げ出した今一つうらやましくない坊さんの話」ですね。
・春宵秘儀図鑑の結合部、雲英振ったのか透明な膠でも垂らしたのか淫水がいまでも濡れそぼるようで正直驚愕した。すげぇわ日本の絵師。
・四季競艶図が素晴らしかった。画題、構図、繊細な筆遣い、表情、奥ゆかしい艶、どれをとっても完璧だった。ちなみにこちらは四本組の軸に仕立てた肉筆画で、春は花見、夏は蚊帳、秋は月見、冬は雪見、二人きりで季節を楽しんでいるうちに気分が盛り上がってきちゃって秘めやかにことに至らんとする様…という、なんかもう日本が世界に誇れるグンバツなシチュエーションの春画。
・応挙が雑だった。応挙なのに! あの応挙なのに! もしかして贔屓に頼みこまれて受けたはいいがほんとは描きたくなかったんじゃねぇの、署名もどうみても真面目人間だし…ってぐらい雑。
・春画幽霊図の人、あんたもてなかったろ。
・皆御存知伊勢物語俳諧まめ男夢想頭巾の展示もあった! とはいえ流石に月経中の遊女の女陰に潜り込んだらそのまま始まっちゃって詰めた紙と抜き差しされる男根との間で右往左往した挙句気を遣った遊女の淫水に押し流されちゃうという伝説の名場面の展示はなく、フツーにまめ男君が船でいちゃいちゃしてるカップルを眺めたり家でいちゃいちゃしてるカップルを眺めたりしてる場面だけだった。
・やっぱ春信系列の女性は手足スゲー華奢で少女っぽくっていいよね。初々しさ満載。
・ねがひの糸ぐち、わくわくしてたけどチケットに乗ってるやつは展示替えになっとった。
・北斎の蛸も展示替えになっとった。
・日本人は地口好き。
・夏は蚊帳。
・冬は炬燵。
・処女が襲われて「やめてくださいこんなことっ! 」「んなこといったって入っちまえばこっちのもんだぜぐへへへ」はちょっと恥ずかしい日本の様式美。
・「六人の女が男一人取り合ってるとこを上手に描いてみい」っていうお題をお弟子さんに出しちゃう師匠イカス。見事に答える弟子もイカス。
・うら若き乙女二人が「ねぇ、あれ女同士じゃない? 」とささやきあっているのが聞こえた。「お嬢さんたち、これはね、貝合わせっていうんだよ」、と教えてたら変態だった。危ないところだった。
・陽物涅槃図はさすがに突き抜けてた。いい国に生まれたと思った。
・豆判は安定の可愛さ。寝こける客に煙草の煙吹きかけてる遊女が可愛かった。
土産物、画集は会場限定販売の4,000円。でも綺麗に色の乗らないざらついた厚めの紙で作ったせいで大辞林なみに分厚くなってる上に何をがんばっちゃったのか判型が変でものすごく本棚に収まり悪そうだったので見送った。普通の画集と同じように作ったら半分の厚さで全作品掲載できただろうに。ついでにいうと論文が少なかったのもおもんなかった。
・絵葉書は大変よろしい。
・左胸にちっちゃい春画プリントしてさらにその局部だけ何も入らないサイズの(あえて入れるならコンビニサイズのチロルチョコか)ポケットつけて隠した悪い冗談としか思えないポロシャツは必見。
・どうしてこの生地を選んじゃったのか、という、ちりめんっぽい布で作った春画座布団。君たちは二次エロ抱き枕カバー職人の人たちに弟子入りした方がいい。
・クリアファイルとかマグネットとか、うん、定番だよね。安定してるよね。
・受注生産のベッドシーツを見て気づいた。ああ、これあれだ、外国人向けだ。
・五人くらいできてた外国人が英語で「どうして日本でだけこういう文化が発展したのか」とさも俺ら上品そうに喋ってたから「お前らんとこは糞潔癖なキリスト教が無駄玉打つなの勢いでエロ禁止したからだよ! だから殉教モノの宗教画とかに抑圧されたエロスが暴発しちゃったんだろうが! なぜ発展したのかではなくなぜ発展できなかったのかを問い直せやゴラァ! あといっとくけどお前らの国だって懐中時計の蓋の裏にエナメルでエロ画像描いて持ち歩いたりしてたぞ! 」といおうかと思ったが大人げないからやめた。あとわりと古い絵巻物見ながら「どうしてこういうの描いたんだろ、自己表現かな」とか言ってたのには「いや、江戸時代前期には絵で自己表現なんていう概念なかったよ、大名から注文が来たから描いたんだよ」とマジレスしようかと思ったがこっちはこっちでめんどくさいからやめた。

ああ、楽しかった。堪能した。

ところでこの記事猥語満載なんだけど問題なく通りましたね。学術的に攻めればエロワードありありだということが判明しましたFC2。

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  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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