オリンピックロゴ騒動を経て佐野研二郎さんが変えたもの・あるいは遺したもの(またはあまりにも美しい阪急電鉄の写真について)

それは写真を見る側の意識である。


この記事のタイトルを見てほしい。どのように感じるだろうか。

印刷ミス? 阪急梅田駅のきっぷが独特な理由

面白い。いったい何がどう違うのか? と好奇をそそられ、思わずクリックしてしまうタイトルだ。そして更なる魅力は次頁で引用された写真にある。

理由は阪急に5つある「田」にある恵智仁さんの写真をご覧うじろ。)

こんなにも圧倒的に美しい鉄道写真があろうか。仰ぎ見るほどに。なんとまぁ、すばらしい時機と構図もってすばらしい光景をとらえたことよ。

そうしてこんなに美しい鉄道写真に出会わせてくだすったのは、乗りものニュースである。

乗りものニュースが蓄えておられるであろう素晴らしい乗りもの写真データ集の厚みは素人である私にはわからない。ただ、当該写真が2013年3月撮影となっていることから、おそらく相当の蓄積があるであろうことは推察される。

そうして、佐野健二郎さんが変えたもの、あるいは遺したものとは
「あ、いいな」
と思った写真の撮影者に対する記名された敬意ではないだろうか。

消費する側の。

ニュースのタイトルで記事に立ち止まらせただけでは記名された敬意は生まれない。
そこに名前がなければ検索できないからだ。
消費者がふと立ち止まり、「どんな人が撮ったのだろう」と仰ぎ見て写真の撮影者の名前を確認し検索したとき、ようやく消費者と撮影者が出会えるのだ。

佐野健二郎さんの事案においていかほどの作為があったかは寡聞にして存じ上げない。
だが、彼においては、少なくとも、あの百戦錬磨の広告関経連を得心させるだけの審美眼はあったのである。

なればこそ。

著名によるはいわずもがな、たといフリー素材であろうとも、たとい特段写真に重きを置いていない発信者であろうとも、そこには撮影者の名前を入れる習慣を定着させていただきたい。

広告を作為する人が、「何か美しいもの」を作ることで糧を得ているのならば。
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  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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