よそんちの台所でよそんちの材料使って飯作るときの気分が食の軍師 料理人版過ぎる件について

嫁やったことのある人間ならわかると思うが、旦那の実家で台所に立つってのは相当難儀である。

使い慣れた道具がナイ。
使い慣れた調味料がナイ。
使い慣れた火加減じゃナイ。

と、ナイナイ尽くしなわけで。

といって包丁やらスライサーやら調味料やらを持ち込むのもどうか。どうなのか。

というわけでまぁ、元旦那の実家で朝食作るために台所に立って、息子にスクランブルエッグをオーダーされたときの気分はまさに食の軍師 料理人版ですよ。
アウェーの中で如何に結果を出すか、いかにその場を支配し「美味い」ものをつくり上げるか、そういうぎりぎりの勝負をしている気分になれるわけですね。ハッハーン?

というわけで、冷蔵庫の中のものを自由に使っていいというお墨付きを元旦那のお義母さんから頂いた私は、まず戦力を確認しつつ戦略を練った。

当初の計画は、

豆腐に刻んだきゅうりのぬかづけの古いのを載せたもの(イメージは山形のだし)
目玉焼き
水餃子(昨日の残り物のあまり美味しくない市販の焼き餃子をリバイスしたかったらしい)
二種類くらいの野菜で作った繊切りサラダ

というものであった。

が、
当初から計画は崩れることとなる。

お義母さんに
「古漬けをいただけますか? 」
と伺った所、
「あ、使ってくれるの、助かるわー」
と言って出して洗って下すったのが、どう見てもシロウリの粕漬けですほんとうにありがとうございました。

昨日台所に出しっぱなしになってたすっぱしょっぱいのじゃないのキター!
アレ刻んで豆腐に乗せたらさぞうまかろうだったのにー!


というわけでのっけから戦略を建てなおさなくてはならなくなった。

さらに、子どもに
「目玉焼きとスクランブルエッグどっちがいい? 」と聞いた所
「スクランブルエッグ」
とな。

そーねー。
そーよねー。
そーだよねー。
忙しい平日は目玉焼きだったけど、余裕のある土日の朝はスクランブルエッグだったもんねー。

でも、君が馴染んでいるうちの味は
玉子
牛乳
クレイジーソルト
バルサミコ酢
で成り立っているんだよ!

このうち、うちの味の根幹たる
バルサミコ酢
がない以上、「あの味」にならないのは必定! 

ついでに言えば、
主食がご飯なので
玉子
牛乳

のスクランブルエッグでは、味が少し弱いッッッ!

悩みながら野菜室みたら
戦力になりそうなサラダ向き野菜が人参しかない!
胡瓜は毎日漬けてらしてしかも美味いぬか漬け枠が占めているッッッ!
サラダ、お前まで戦わずして滅びるというのか…ッッッ!

どうする! 自分!

ここからどう戦略を組み立てなおす!

どう攻めれば我が子と義父母に「や、これは美味しい」と得心させることができるッッッ…!


再び冷蔵庫を改めたところ

明太子っぽいものを発見!

よし、作戦変更!
いつものスクランブルエッグを
明太子と豆腐入りの和風スクランブルエッグに転換!


シロウリのぬか漬けは
今更漬け床に引っ込めるわけにもいかないので、
先ずは湯がいて強すぎる酒粕風味を抜くことにした。
さらに、甘い風味からゴマドレが合うだろうと判断、
水餃子と合わせ、ゴマドレをかけてごまかすなんとかすることにした。

完成!

昨日のあまり美味しくない市販の餃子とつけすぎのシロウリの粕漬けから、なんとか食べられそうなものが出来たよ!


次はサラダだ!

皮をむくぞ! と皮むき器を探した所、ない。

orz(←ぶきっちょ。できなくはないができればさぼりたい

いや、こんなところで負けていられるか。
皮むき器がなければ、普通の薄切りスライサーを皮むき器代わりに使えばいいじゃない! そう、それはでかい皮むき器よ! そうよ! 
と思い込んでやったら取り回しづらいけど皮むけた。
んでつつがなくスライサーで繊切りしたはいいが、やはり一種類だと面白くない。
他にパートナーとなってくれそうな野菜も見当たらない。

ああもういいよ!
ぬか漬けはぬか漬け、サラダはサラダ、胡瓜、お前ちょっとサラダ手伝え!


というわけで、繊切りにした胡瓜と人参に塩を揉み込み、白ごまをあえたはいいがやはり味に深みがない。
こういうとき自分ちだと
かつお節粉
とか
ゆかり
とかを入れて何とかするんだが、ここにはそのようなものはない。

どうする?
どうするんだ!

昨日お茶うけで出てきた自家製カリカリ梅を使うのだァー!

というわけで、「なかなかなくならないから食べてー」とお義母さんがおっしゃっていた自家製カリカリ梅を刻んだものを混ぜ込んで、サラダ、完成だー!

さて次はいよいよオオトリのスクランブルエッグに入る!
たまごよーし!
豆腐よーし!
明太子よー…くない!!!???

よく見たらこれ蓋に南高梅って書いてあるよー!
どうするんだ、いまさら明太子なしのスクランブルエッグなんて考えられないよ!


orz(←二度目

…いや、諦めるな!
確かにあの瓶の外から無心に見たときの印象は明太子だった!
自分を信じるんだ、シモン!

蓋を開けて確かめたら
梅干しの瓶に明太子詰め替えただけだったー!

よし、これで兵は揃った!
あとは作るのみだ!

先ずは玉子を割り、そこに絹ごし豆腐と崩れ明太子の皮からこそげ落とした粒を投入、全てを手づかみで混ぜ潰す!
調味は醤油と塩だ!

油をしかないテフロンフライパンに流し入れ、弱火で加熱、木べらでゆっくりと混ぜる!
5割以上固まり始めたらコンロから外し、予熱でごく柔く、しかし液状の部分が残らないように仕上げる!

出来た!
なんだかわかんないけど美味そうな明太子入り和風スクランブルエッグ!
炒り玉子ではないぞ! あくまで
汁っぽいけど汁っぽくない少し汁っぽいスクランブルエッグ
だ!


さて、
判定は如何に?

子どもはスクランブルエッグすげー食べた。他のには手つけず。
味にうるさいので想定の範囲内。つか好き嫌い激しい奴が知らない味のものにおそるおそる箸つけてそのあとばくばく食べだすってのはわりと作り手の醍醐味ですよね。ええ、スクランブルエッグです。
義父母は美味しい美味しいと綺麗に食べてくだすって、粕漬けの処理に感心しておられた。

ごめんマイサン、湯がいて味抜いてゴマドレかけたシロウリの粕漬け出てきたらお母さんの置き土産ですorz

とりあえず
勝った
ということにしておこう。

あと旦那のお父さんお母さんはもはや義父母ではねーんじゃねーの? という苦情は受け付けませんのであしからずご了承ください。

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ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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