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焼き付けられた風景 -土橋美緒さんの陶展のこと-

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その作品が、一体どんな技法で作られたものなのか、見当もつかなかった。

葉書を二回りほど大きくした陶板に、モノクロームの風景が写し取られている。
コントラストははっきりしていて、それでいて土と釉薬の粗さが好もしい。
川面に映った花火を見るような、夕暮れに沈みかかる街を懐かしむような。
平面であるはずなのに、手を伸ばしたくなる空隙があるような。





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柔らかく仕上げた灰色の粘土板に人型に切った薄い黒の粘土板を貼り付け、手ぬぐいで均す。

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灰色の粘土に白の釉薬、一度焼いたところに人型に切った紙を載せ、釉薬を染ませる。

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奥の片口。灰色の粘土に白の釉薬、一度焼いたところに人型に切った転写シートを載せる。

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灰色の粘土板に白の釉薬を掛け、手形を筋彫りし、一度焼いたところを水で濡らし釉薬と絵の具を垂らして滲ませる。

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黒の粘土板に白の釉薬を厚めに掛け、荒く削いだ後、人物を筋彫りし、または釉薬を人型に沿って削りとる。

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黒の粘土板に白と緑の釉薬を掛け、一度焼いたところで人型に切った転写シートを載せる。

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黒の粘土板に白の釉薬を厚めに掛け、荒く削ぎ、一度焼いた後、シルクスクリーンで黒の釉薬を載せる。





そして物語は動き出す。

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風景や人物をモチーフにしているのに、表現の素材として何故陶器を選んだのか、少し不思議だった。
印画紙やキャンバスの方がよほど楽だろうのに、と。
だが、
釉薬を荒く削いだところに人物を削る
または
釉薬を荒く削いだところにシルクスクリーンで釉薬を載せる
という、いかにも面倒そうな作業は、一方で、それでしか出せないだろう偶発の質感を確かに引き出している。

世界は流動的だ。
ものはみなうつろい、少しもとどまることを知らない。
だが、そのうつろいを切り取った写真は、土に焼き付けられ石に変成することで、擬似的な永続性を獲得するのではないか。

そんなことを考えたのである。





"go past"
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土橋美穂さんが講師をなさっている風工房はこちら
そしてこの素晴らしい作品群と作家さんに巡りあわせてくだすったのは、いつもの赤坂ギャラリーカフェジャローナです。
土橋美緒さん、たくさんお話を聞かせてくださってありがとうございました。
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ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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