死んだ蝶を拾った。

マンションの廊下に、あまりにも美しい状態で蝶が落ちていたので、拾って帰った。
調べたところ、ツマグロヒョウモンという種であった。
よく見る種であったのに、広げた表より裏の方が繊細で美しい紋様を持っていることを、調べて初めて知った。
私は末永くこの拾い物を保存しておきたいと思ったので、その術を探した。
鱗粉が落ちないようつるつるした紙で三角紙を作り、そこに入れておくのがよいらしい。
うちには硫酸紙もホウ酸紙もないが、クッキングペーパーならその任に足るであろう。
手本通りに作り、鱗粉が落ちてしまわないよう気を使いながら蝶を納めているうちに、その美しい容にもう命が宿っていないことを何度も覚え、ひどく悲しくなった。
私はこの美しい死体のことを忘れないように、三角紙のままピンで止めて壁に飾っておくことにした。
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や、咲夜様。

いつもお越しいただいていたようで。
こんな辺鄙なところにありがとう存じます。

死体はゴミではないと思うんですよ。
愛するものの死体であれば、いつまでもとっておきたいけど
技術的に難しいから荼毘に付してコンパクトかつ衛生的に保存する。
亡骸の一部を頂いちゃったり、とっておいてアクセサリーを作ったり
色々したくなるもんだと思うんです。

まぁでもゴミの片付けは面倒なので、
少しずつものを減らしていくというのはいいかもしれませんやね。

ネコタ斑猫 拝

No title

コメントは、初めまして。

いつもこっそり訪問してました。そのことは失礼いたします。


『私死んだら只のゴミ。』って、大事に何でも物取って置いたら残されている人に
ゴミ処分に迷惑かける事だと勝手に解釈していたら



色々調べてたら。死体が、ゴミなんだとの解釈もあったようです。


この蝶のように、亡骸になっても美しく生きていられたらいいな。
と、共感いたしました.

プロフィール

ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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