俺氏、胸骨を骨折する。あるいは、「女に手を上げるなんてサイテー」という命題は妥当か?」という問題について

はじめの一歩を見た直後だったからというのも多分悪かったのだと思う。
きっかけは、ささやかな、ほんとうにささやかな、そろそろ部屋を片付けたらどうかみたいな話。
前々日から何時からやると決めていた。それが突然翌日にしたという。
いやそれはいけませんよ、約束は履行しましょうよ。

「うるっせーまた殴られたいのか」
「殴ればお前がおとなしくなるってのはおにいちゃんのときに学習してるからな」

先々週の痣も消えていないなか
三社面談で諍いの際に子供に殴られたことを告白すると担任が涙ぐみながら「それいじょうひどくならなければならないといいのですが」
とご心配なさっているのを承知しておりながら
俺は言った。
「受けてたつぜ! 」

結果。

胸骨皹。

しかしながらなかなか楽しかった。
今までは「親が子に手を出すなどもっての他」という見知らぬ刷り込みに惑わされてやられっぱなしであったが
「本気でやってみたらどこまでいけるかな? 」と急にチャレンジャーな気分になりこちらも結構パンチを繰り出した。
というような親子チャレンジができて正直此方としては遺恨がなかったこと。あいつもガチでやってみたらどんなものか、そして案外お母さんの体が脆弱なことを再認識できたらしいこと、そんなあたりを踏まえるとなかなかの収穫だ。
その後も奴は相変わらず私がつめると暴力をほのめかしてくるが一方で引きが早くなったこと、さすがに反省してるらしくいろいろ手伝ってくれるようになったこと、何かをするといいだしたときに許してやると「ありがとう」ときちんといえるようになったあたりで、覚悟は却ってよかったんではないかと思う。


私はどうも、「女を殴るのはサイテー」というあまりにも単純で都合のいいものいいになじめない。
その伝でいけばそもそも女のみならず誰を殴るのだってサイテーなんじゃないのか?
一方で人は自分を守るために戦闘民族のような女を殴る必要が生ずることもあろう。(サンジ君除く)
人を殴りたくなんかない、というのが戦闘民族以外のコモンセンスかもしれない。
だが、そんなコモンセンスを共有しておらん人間を相手にしようとするときにまで、規制は行うべきなのか?

「女を殴るのはサイテー」
これはある意味究極の男女逆差別だと思う。
確かに男性の力は強いというのは一般的だが、女もひどいこといったりしたり時には殴ったりするじゃん。
そういうのに対して男が一方的に我慢しなくてはならないという状況はなんだか妙じゃないかね。

なんというか、男が女を殴るのがサイテーなのではなく、
誰であれ誰かを殴るのはサイテーであり、
しかしながら、もし理不尽な暴力を受けたなら、
それに対して応戦する自由は、男女平等に許されているのではないかと。

そんなわけで、うちんちではどうしても、
「女を殴る男なんてサイテー」とはいえない。
かわりに負けるとわかっててもガチで応戦する。
その戦いの中で、ああ、この個体は、残念ながら戦闘には向いていないのだな、弱いな、壊れやすいな、だから、別の方向で交渉したほうがよいのかもしれないな、ということが実感として見えてくれればいいと思う。

あーあと
胸骨に皹の入った生活は
毎日毒の沼を歩いているような気分です。
HP減るのが長早いです。
何からも起き上がるときが一番のダメージです。
重いもん持つと治りかけがまた離れるんじゃないかとぞくぞくします。
子供との関係が結果オーライなんですが、残る痛みだけはばかばかしいですね。
ただ、きっとこれはすべて、家族としてこなしていかなくてはならない仕事なのでしょう。
何より傷を負いながらでもまた笑いあっていけるのだから、私は、なかなかうまくやっているなぁと思いますぜ!
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namiさま、あたたかいコメントありがとうございました。

いやー、先輩からのお言葉、身に沁みるっす。
うちは家出はしませんねー。むしろ私が働きに出てるせいで居心地がいいのか、わりと家にいがち、つか
「テメーが出てけ! 」つっておんだされたりしましたよァ '`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、
そのときは諫言を弄してうまく入り込みましたがね。
なんで我が家なのにぬらりひょんみたいな真似せなあかんのかよぉわかりませんけどね。

というわけで、相変わらず胸元に毒の沼を抱えているので、御礼はこのあたりにさせていただきます。
ほんとーにありがとーございました。

ネコタ斑猫 拝

すてき、、

今は本当に大変な時期かと思われますが、お子様の反抗期に真摯に立ち向かってる姿。いつか笑い話に出来る日がきっときます。私も中2からの荒れっぷりがものすごく、理由をつけては反抗。の日々でした(内容言えないくらい)自分の居場所がないと何度も家出を繰り返していましたが、母はこの子はいつか必ず帰ってくるとひたすら待ち続けてくれました。今となっては笑い話です。現在は主人と子供二人と普通の生活をしています。今考えても、なんであの時あんなことまで、、と思いますが、人格形成には欠かせないものです。あと数年ですかね?ゆるく、気長に待ってみてください!お母様がお金貯めて、ふらり海外一人旅とか行ってしまったほうが案外うまくいくと思うんです。合気道のように、いかに柔らかい力で相手を制するか、、
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  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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