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ぼくがかんがえた「よつばに毎日という宝箱を今日も開けさせるためにあずまきよひこ先生が仕掛けた七つの設定」について

よつばに毎日という宝箱を今日も開けさせるためにあずまきよひこ先生が仕掛けた七つの設定について。

1 お母さんがいない
現代のお母さんには子どもを宿した瞬間から(あるいはその前、結婚した瞬間から)「私は自分の子どもを無事産み育て社会人にまで育て上げなくてはならない」というプレッシャーがかかります。マスメディアは毎日飽きもせず理想的な子育てと虐待のニュースとを交互に流してお母さんを針の穴の如く狭隘な理想的母子像に指向させようとします。産院にいけばたまひよこっこクラブを流し読みしながらの気の合いそうなプレママ友先物買い競争が始まります。産んだら産んだでママ友実家義実家付き合いが始まります。自宅では叱り声と子どもの泣き声のハイブリッドが近所さんに育児放棄虐待ととらえられているのではないかとはらはらひりひりします。こんなふうに生々しくならざるをえないお母さんを登場させた途端毎日は宝箱からパンドラの箱に変容しかねません。よつばと! を描くには、お母さんはいてはならなかったのです。

2 この国での過去がない
よつばにはこの国での過去がありません。どこか遠い国のみなしごでした。こんにゃくやさんのとーちゃんが外国に行ったときに何となく引き取ることになった子ども、それがよつばでした。おそらく来日してすぐはとーちゃんの田舎でばーちゃんと暮らしていたよつばには現在と結びつくべき過去の記憶があまりなく(個人的にはデパートを見たときの「せーふか? せーふのたてものか? 」がよつばらしからぬ大人単語な発言で過去を強く匂わせているようで気になりますが…)それゆえによつばにとっては引っ越してからのごく普通の日本郊外の暮らしが新鮮で仕方がありません。蝉も仁王様もたいやきも何もかもを5歳のよつばにとって未知のものにし毎日を宝箱にするには、よつばにはこの国での過去があってはならなかったのです。

3 保育園・幼稚園に行ってない
よつばの時間は大変ゆっくり過ぎてゆきます。とーちゃんがこんにゃくやだからではありません。よつばが保育園・幼稚園に行っていないからです。ああいうところに通い出すととにかく時間に追われます。クレヨンしんちゃんのみさえを思い出して下さい。朝は定時と闘い、夜は「明日までにやっておくこと」と闘っていますね。子どもの時間に合わせてその合間に大人仕事をこなすのはなかなかに難しくしっちゃかめっちゃかになりがちですが、よつばには毎日行かなくてはならない場所はなく、とーちゃんもそこから発生する義務に振り回されることがありません。だからよつばはとーちゃんが思いついたときに買い物に行けるのです。だからよつばは時間をかけて町を散策できるのです。よつばと! の時間をゆっくり進めるには、よつばが保育園・幼稚園に行っていてはならなかったのです。

4 同年代の友達がいない
隣の美人三姉妹はいずれも年上です。あとはとーちゃんの友達、美人三姉妹のご両親と、見事に同年代の友達が欠落した中でよつばは暮らしています。理想像にがんじがらめにされた母親であれば我が子の健全な成長のために何が何でも同年代のお友達を取りそろえてやりたくなるところですが、とーちゃんは別段そんなことは気にしない質なので余裕です。対等でない関係の中でよつばは毎日を過ごします。そこでは利害が競合しないのであまり生臭いトラブルは発生しません。皆さんある程度大人なのでよつばの唐突にもやぶれかぶれにも余裕持って真摯に対応します。とーちゃんやジャンボ、そしてもちろんやんだあたりが場合によっては対等な位相に降りてきたりはしますが所詮奴らは大人であり深刻な対立には至りません。保育園や幼稚園ではトットちゃん並にちょっと変わった子扱いされそうなよつばがのびのび過ごすためには、同年代の友達がいてはならなかったのです。
(ダンボーと一緒に公園に繰り出すシーンでよつばが同年代の子に認識されている旨の描写があってむしろ安心したのは私だけでしょうか)

5 隣家が三姉妹と専業主婦を擁する金持ちである
郊外ながら中堅以上の暮らしっぷりを披露する綾瀬家は小岩井家にとってのオープンハウスであり、よつばがいつ遊びに行ってもいいフリー託児所状態となっています。しかも余裕のある暮らしからは心の余裕も生まれるのか、室内で水鉄砲で遊んだり冷蔵庫を勝手に開けた挙句ケーキを要求したりする不躾な子を実に寛容に受け入れています。もしこれがごく普通の経済状況と育児観を持つご近所さんだったら、まずとーちゃんとよつばとの関係を不審がるでしょうし、ああも家に入り浸られると「もしかして放置子? 」となりかねませんいやな世の中ですねマジで。よつばがとーちゃんとふたりきりの家で毎日折り紙して過ごす等という寂寥感溢るる境遇に陥らずに済んでいるのは、隣人一家が寛容な面白がり屋さんであるおかげなのです。

6 とーちゃんがこのつく自由業である
もしもとーちゃんがフツーの勤め人だったらそもそもこの物語が始まらなかった可能性があることは皆さんもうすうす察していることと思います。少なくとも平日、朝に出勤し夜に帰宅するというタイムテーブルの中で一人暮らしをしたことのある方にとって、縁もゆかりもない5歳児を引き取ろうなどという発想はまずありえねーのではないでしょうか。仮令よつばが如何に無敵で仮令よつばが如何にとーちゃんに懐いていたとしても、とーちゃんは涙を呑んでその手を振りほどく他なかったでしょう。なぜなら勤め人一人暮らしでは24時間を自分を維持するために使うだけで手一杯だからです。やんだがよつばを引き取って育てているところを想像できますか? 案外うまくやるかもしれませんがその場合平日昼間のよつばに許される選択肢は保育園に行くか綾瀬家に預けっぱになるか或いは一人ぽっちでいるかの三つです。そこには今描写されているようなとーちゃんを基軸にした人々との交流の毎日は存在しえません。とーちゃんが仕事の一段落がつくまでよつばの相手をしなくとも、徹夜の挙句ダンスして直後に倒れこんで寝ようとも、とにかくとーちゃんはいつもよつばの近くにいます。暴風の誘惑に負けたよつばがメアリーポピンズすれば着の身着のまま飛び出してよつばを追いかけます。とーちゃんという堅牢かつ安全な基地があるからこそ、よつばは気ままを謳歌できるのです。

7 とーちゃんの友達(主にジャンボ)が異常に面倒見がいい
やんだはともかくとして(いやかなりよく構ってるとは思いますが)、ジャンボの子守っぷりはもはやとーちゃんの旦那か嫁か或いは実家の母ちゃんの域に到達しています。多分仕事の打ち合わせかなにかで家を空けなければならないというときにはとーちゃんは綾瀬家ではなくジャンボを頼みます。ジャンボは応じてやってきて非常に行き届いた子守をします。おまけにあれこれのイベントを企画しては小岩井家のみならずその周辺までも時には車を出してまで連れて行ってやります。ジャンボがいなければとーちゃんは家を空けるたびによつばを一時保育に預けるか一人で留守番させるか或いは綾瀬家に預けざるをえなかったでしょうし、そうなると作品の色も今とは違っていたでしょう。あーあとやんだもわりと頑張ってます。あれだけのシャボン玉遊具を多分トイザらスあたりでよつばの裏を欠くためだけに熱心に選んでいるところを想像すると愉快でなりません。とはいえやんだは勿論あくまでよつばと遊んでいるだけでありよつばの子守をしているとはいいがたいものがあります。つまるところ、ジャンボという素晴らしい育児パートナーがいるからこそ、とーちゃんがよつばを育てることが可能になっているのです。

以上、ぼくがかんがえた「よつばに毎日という宝箱を今日も開けさせるためにあずまきよひこ先生が仕掛けた七つの設定」でした。

追伸 よつばと! 未読でこの記事何言ってるかわけわかんねぇって人は下記リンクから単行本を買って読むように。





カトゆー家断絶さま、記事の紹介ありがとうございました。
UJI-ARMY -News Site-さま、記事の紹介ありがとうございました。
痕跡症候群さま、記事の紹介ありがとうございました。
明日は明日の風が吹くさま、記事の紹介ありがとうございました。
天涯の森さま、記事の紹介ありがとうございました。
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非公開コメント

Re: No title

またのお越しを楽しみにしています

ネコタ斑猫 拝

No title

記事読ませて頂きました。
ありがとうございます☆
それではまた。

nana-cさま、ご要望に沿えず申し訳ありません

> 通りすがりですいません。
>
> 読みにくいんで、もう少し句読点を付けるのと、改行をして下さい。

ベタ打ちにはベタ打ちの味があるのでございます。
こらえてつかぁさい。

ネコタ斑猫 拝

No title

通りすがりですいません。

読みにくいんで、もう少し句読点を付けるのと、改行をして下さい。
プロフィール

ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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