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珍妙なる事

こんな話を聞いた。

「 職場の隣席の女性が突然ボールペンを打ち遣ったので驚いて「何うしたのですか」と尋ねたところ「壊れました」と云う。屑籠を覗き込んだがインキが半分以上残っていて特段問題はないように見える。そうなると急にボールペンが不憫になる。といってここで拾いあげて得意気に修理なぞしてよいものか。そんなことを思いながら黙っていると「直したいんですか」と尋ねられた。迷わず「はい」と答えると「どうぞ」と屑籠から拾い上げたのを渡された。
 お尻の釦を押してみると鳴る程手応えがない。これは立派に壊れている。だが今度は何うして手応えがないのかが無性に不思議に思われて原因を究明しようと先の方を外した。すると常なら嵌っている小さい銀色の発条が見当たらない。丁度後ろを通りがかったもう一人の同僚に「あのう、発条の入っていないノック式ボールペンなんて一体あるもんでしょうかね」と尋ねてみた。
 「ないんじゃないかしら」
 自分にもそう思われて仕様がなかったので構造を比較するため同型のボールペンを探そうと思いついた。見回すした途端当の隣席の女性がもう新しいのを使っているのに出食わした。そのボールペンは壊れたものと同じ支給品だったので貸してもらって分解した。当たり前のように発条が嵌っていた。
 「どこかで発条が外れた覚えはありませんかね」
 重ねて尋ねたところいかにも覚えがなさそうに「ない」「ない」と言いながら筆袋の中を漁っていたが、暫くして小さい声で「あった」と呟き後銀色の螺旋を差し出してきた。私はそれを嵌め直してやりながら、一体持ち主が気づかないうちに発条だけが外れて先が元に戻るなどということがあるのだろうか、と浅い疑義を覚えたのである。」
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非公開コメント

ウミネコアーさま、コメントありがとうございました。

なんだか誤解を生じるような書き方をしてしまったようで申し訳ありません。
アレです、コメントなんざハンドルネームでいいんですよ、当たり前ですよ。
ウミネコアーさんにウミネコアーさんたる証拠を出せなんて禅問答みたいなもんですよ。
でも鳴き方の描写が非常に生き生きしてて面白かったです。
鳥の発生の仕方とか観察すると面白そうですね(*´∀`*)
今度から注意してみよう(*´∀`*)

……。
アッーでもよかったのに…。

なんというか、そんなネットコミュニケーション初心なウミネコアー様がコメントをお寄せくださったのだと考えると、なんだか無い胸が熱くなりますな!
ご覧のとおり全然記事書いてますんで、これからもよろしくお願い致します。

では!
ネコタ斑猫 拝

こんばんは

ウミネコアーです。
良く考えると私がウミネコアーである証がないですね。すみません。

ネット交流は普段全然やっておりません。あれこれ考えてしまう性分なので。コメント作成も時間がかかってしまいます。

HNはウミネコ+鳴き声です。
青森・蕪島神社のウミネコがア゛ーア゛ーア゛ーア゛ーア゛ーーーと鳴いていたので。
股にクチバシを、頭を下げるように突っ込んで、頭を元の位置に戻しながら鳴く、そんな感じでした。匠の技なんですよ。
瞳のギラギラした野性的な凛々しい鳥たちでした。

ちなみに「ア゛ー」だと「アッー」と類似しているので「アー」にしました。

こちらを知ったきっかけは、何かを検索していてたまたまヒットしたような記憶があります。結構昔ですね。

色々言葉が浮かびましたが、文章化には至りませんでした。
自分の直球や変化球のキレ具合も今一つで。

ラスト「~である。」締めは興奮しますね。
プロフィール

ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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