くうきをたべるからくりどうぶつ テオ・ヤンセン展に行ってきましたァァァァン!!!!!

お台場は科学未来館にて開催中のテオ・ヤンセン展。

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こちら
プラスチックチューブの骨兼筋肉
ビニール皮膜で出来た口替りの羽
食道替わりの空気入れ
胃袋替わりのペットボトル
で構築された
プラスチックチューブ生命体「ビーチアニマル」の展覧会である。

撮影可ということで
ガンガン写真撮ってきた。

作品数は13点。いくつか抜けがありますがご容赦。

先ずは展覧会全景。
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最初期のビーチアニマル Animaris vugaris。今は見る影もないが、仰向けの状態で足を動かすことが出来たらしい。
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初めて歩行可能になったビーチアニマル Animaris Currens Vugaris。
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風力で動くビーチアニマル Animaris Currens Ventosa。このビーチアニマルの動画をきっかけにオランダの文化教育科学省から助成金を受けるようになったらしい。
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Animaris Sabulosa Adoloscens。良い写真撮れず。風力。

Animaris Genetics。左右のゴミ袋を染色体の詰まった核に見立てている。
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Animaris Rhinoceros Lignatus。木で出来たビーチアニマル。大型化には常に強度問題がつきまとう。その解決のために選ばれた素材。
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Animaris Vermiculus。萎たれているが背中についているペットボトルは風力貯蔵庫、つまりここでいう「胃袋」の役割を果たしている。
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Animaris Rugosus Peristhaltis。オームっぽい。蠕動する動きを追及してみたかったっぽい。
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Animaris Percipiere Primus。ビーチアニマルは水に弱い。歩数計を持っていて海に近づきすぎないように出来た、らしい。
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Animaris Percipiere Rectus。良い写真撮れず。

Animaris Ordis。BMWのコマーシャルで使われたらしい。展覧会入口手前に展示してあり、押してギミックを体感できた。スゲェ。
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Animaris Modularius。実演アニマル。水を避けるらしい。風が強すぎると浜に杭を打ちつけて自身を固定する。打ち付けた杭を自力で抜くのかどうかは不明。
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Animaris Umerus。良い写真撮れず。シンプルで怪我しないらしい。

Animaris Siamesis。実演アニマル。障害物と水を避けるギミック内蔵。左右脇腹の触覚が岩などに触れると逆方向に進む。また空気を吹き出しているパイプに水が触れると逆方向に進む。
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そしてまたもや押して遊べたAnimaris Vaporis。入れ子のチューブが筋肉様のピストン運動をする最初のビーチアニマル。
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実演は屋内で行われたためアニマルは左右に三歩ずつ程度しか動かず意外と地味な印象をうける。だがAnimaris Modulariusの動きは想定以上に早くマジビビる。Σ(゚Д゚)スゲェ!!

というわけで、テオ・ヤンセンのビーチアニマル解題。

ビーチアニマルの第一の特徴は、羽ばたきを通じて蓄えられた風力が推進力に変換されるという点にある。ベクトルの不安定な風を制御し動力源とする……そのために構築されたギミックがヤンセン氏のいう「口」と「胃袋」、アニマルに於ける翼とチューブと空気入れと弁とペットボトルである。アニマルは翼を風に受け羽ばたくことで空気入れを動かし、空気をペットボトルに送り込む。ペットボトルの口には一定の圧力になるまで解放されない弁が備え付けられており、アニマルが「満腹になるまで」じっと空気を蓄えるようになっている。ペットボトルが十分な空気をため込むと弁は解放され、今度は入れ子になった筋肉兼骨に動力が伝わり動き出す……ここでヤンセン氏のビーチアニマルを特徴づけるもう一つのギミックが登場する。ピストン様の動きを推進力に変換するクランクである。クランクは13本の骨で構成されている。アニマルの印象をマシンよりも疑似生命体に近づける節足動物様の動きは、このクランクの働きに拠るところが大きい。最もぶれず且つ十分な歩幅を可能にする組み合わせのため、ヤンセンはクランクを構成する各部の長さをコンピューターの淘汰シミュレーションを用いて最適化した。クランクに必要な15本の骨、それぞれの長さの最適解を組み合わせだけで算出するには途方もない時間がかかると見込まれたためである。ヤンセンの提案した1500の長さの骨の組み合わせを搭載した二進法上のアニマルは仮想時空の中で淘汰と遺伝を繰り返し、かくして浜辺という過酷な状況で歩行しうるビーチアニマルが誕生した。
ビーチアニマルはオランダはイペンブルグにあるヤンセン氏のウィンドスタジオで製作される。敷地には砂場と小屋と船用コンテナとアニマルの墓場がある。故障した、あるいは劣化したアニマルはそこに打ち捨てられ、風雨にさらされ少しずつ摩滅してゆく。化石のように。
本展覧会ではアニマルの動力源が風であること、素材にペットボトルなどのリサイクル品を多く用いていることなどからエコロジカルな側面が、またヤンセン氏がクランクの最適化に淘汰システムを用い、実際のアニマルにも核になぞらえた機関を設けたことにより、その優れた自動システムよりも疑似生命体としての側面が強調されて広告されているように見受けられた。だが繰り返しになるがアニマルの醍醐味はシンプルだがよく吟味されたギミックの組み合わせによる思いがけない動きにある。それらギミックを成立させたのはなるほど淘汰シミュレーションであるが、彼らの誕生と生存、そして遺伝を支配しているのはヤンセン氏そのものであり、その根幹の部分で生命にとって不可欠な自律性に欠けているといわざるをえない。つまるところアニマルはヤンセン氏の創造物であり、たといヤンセン氏がこの生命体が自分の死んだ後も末永く浜辺で動き続けることを望んだとしても、そもそも存在のための意志をヤンセン氏に負っている以上、それは不可思議で未来的な空想にすぎず、またそれを望むにはアニマルは全体脆弱に過ぎる。だが近い未来にアニマルが自力でスタジオを出て浜辺に行きたらふく空気を食べて散策しそして帰ってくることを空想することは可能だ。そしてまた彼らが僅かずつ補正しながら自分の複製を作り出しそれらが先代より少しばかり優れたやり方で風を食べるための散策に出かけることを空想することも可能だ。そしてその様子を空想するとき、それはやはり一種の疑似生命体と呼びうるようにも思われる。
そしてここでまた生命と疑似生命体の大いなる差異が一つ明らかになる。
生命にとってその存在は前提であり、既に与えられているギミックを組み合わせて如何に世界と折り合うかがその主目的である。
一方の疑似生命体はその時点で創造主が考え与えうるギミックを組みあわせて如何に世界に成立するかが最大にして最後の目的である。
創造主に目的を仮託することも許されず、限られたギミックを組み合わせひたぶるに時空を切り開き続けなくてはならない存在、それが生命なのだ。

付記:
回転をキーとする生物を創造したもう一人のアーティストにM.C.エッシャーがいる。彼もオランダ出身なのだが、もしもその発想の原点が風車にあるとしたら実に平たくまた愉快な話ではないか。

*アニマルの各所についていたコードバンド、てっきり生き物っぽさの演出だと思ったら、日本の前に展覧会やった韓国で勝手に付けられたものだという話。
韓国ェ…。
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というわけで
宮崎駿サン描く飛行艇の羽ばたきやオームの動きに興奮しがちな方は行くと吉。
創発性と銘打つにふさわしい節足動物ぶりを堪能できますぜ!

テオヤンセン展 ~生命の創造~
2月6日にはヤンセン氏本人が来日してデモを行うらしい! Σ(゚Д゚)スゲェ!!

youtubeのテオ・ヤンセン動画集積所

参考サイト:
STRANDBEEST




すくみうさま、記事の紹介ありがとうございました(*´∀`*)
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非公開コメント

や、関西でしたか('A`)

そらぁ残念です。
こうなると大人の科学ありがたいですね(*´∀`*)

調整とかうまくいきましたか?

自分もスターリングエンジン作ったときはコーフンしましたよ!
で職場持ってってみんなに見せびらかしたんですが
誰も感動しねぇの('A`)
何故にこのロマンがわからんのかと('A`)

みもざさまとはよい酒が飲めそうですな(*´∀`*)

では!
ネコタ斑猫 拝

No title

こちとら関西なわけでして。
涙をのんでおります。orz

替わりと言ってはなんですが大人の科学を買いましたとも。
すごいねAmazon!もう届いたよ!
お昼に作ってみましたよ~。

んもうね。にやにやしっぱなしで。
明日会社に持っていこうっと。

ミモザ様コメントありがとございました!

そーなんですよ! ぬるぬるなんですよ! チョーぬるぬる!
良かったら6日に行ってきてください!
ヤンセンさん来るっぽですよ! わー!

いやーこの面白さ共有できて嬉しいっす!
わーい!

では!
ネコタ斑猫 拝

No title

こーんばんわー。

動画見てきました。
やっばい。超面白い。
ぬるぬる動きますね!

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ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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