食べるよろこびここにあり Bistro Marsanne@神田

酒を辞めると、美味いものに頼りたくなってくる。
そして、そんなときに間違いなく、
美味いものを食べさせてくれる店
を知っている者は幸いである。

Bistro Marsanneを訪ねた。

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選んだのは三陸直送ゴマサバのマリネと豚肉と鶏レバーのパイ包み赤ワインソース。

ややあってマリネが運ばれてきた。

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四半身分はあろうか。
まずはサバのみを一切れいただく。
甘みの勝る風味。
(脂身の多い魚を生食するにあたって甘酢で処理するのは世界共通なのかも知らん)
思いながら、今度はレタスと合わせてみる。

(美味い! )

野菜というのは実にもって動物質の持つ弱みを隠し補ってくれるものである。
レタスの持つあるかなきかの苦味と爽やかさとがこれまた気付かなかったほどのサバの生臭さを帳消しにしている。
瑞々しい食感が、生の切り身のぬめるような柔らかさに筋を通す。

こうなると夢中である。
ひたすらにサバを切り、レタスを乗せ、フォークで刺し、口に運び、咀嚼する。
幸いの感覚がふつふつと体内から湧いてくる。

一心不乱の前菜のあと、パイ包みが運ばれてきた。

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おそらくオーブンで焼くか蒸すかした大根、ピーマン、人参、ヤングコーン、蕪が下に敷いてある。(調理方法頼りなくて失礼)

肉汁はパイ生地に引かれたのか、パイ生地にはそれほどのさくさく感はない。
肉はひたすらに力強く、そしてまたソースがそれに負けぬほど力強い。
全体ここの料理は、おそろしく丹念でありながら、荒々しいほどの野趣を覚えさせる。
突端ぎりぎりを歩くような、せめぎあうような野趣である。
ややもすると調味料が出張ろうとするのを宥め居静まらせているような、そんなような野趣である。

こんなにも満ち足りた中食を、喜ばぬものがいるだろうか。

しかして実のところ、この店の最大の醍醐味はデザートにある。

ガトーショコラ。

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濃密な、チョコレートそのものと紛うほどの、しかしながらクリームを思わせるほどに滑らか且つ香ばしい焼き菓子の生地。
上に乗っているのはカラメル風味、口に含んだ途端それがかろうじて形を保っていたのだと知れる、柔らかい、あまりにも柔らかいアイスクリーム。
バナナの上には焦がしたカラメル。
彩りと酸味とを補うようにラズベリーとブルーベリーが煮汁を纏い仲良く並んでいる。

こちらのデザートを戴いているとき、私は、
食べるよろこび
を知る。

それは、誰にも奪えず、誰にも強要されることのない、私だけの密やかな楽しみである。

ビストロマルサンヌ ある日のランチメニュー

7marsannne.jpg

書き忘れていたがパンも美味い。全粒粉を用いた、優しい甘みのある、質実剛健のパンである。

Bistro Marsanne
http://bistro-marsanne.com/

2009年1月21日付Bistro Marsanneに関する過去記事はこちら


ビストロ マルサンヌ




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非公開コメント

山之内案山子さま、コメントありがとうございました。

東京駅地下の酒屋ってグランスタのアレですかね?
あっこいいですよね! 試飲とかやってると衝動的に買っちゃったりします。

えー、で、ですね。

自分はものすごく悪いお酒の飲み方するんですよ。
呑み始めたらほとんどつまみやらないんです。
ごはんも酒も好きなんですが、うまく一緒に頂けないんです。
ダメな子なんですよ。

ほたるいか沖漬けと日本酒
酒盗と日本酒
レバーペーストとぶどう酒
とか自分なりに好きな組み合わせが無くはないんですが、最初だけ。
がっぷがっぷ飲んじゃうんですよ。

先日シェリー一本つまみなしで空けちゃったときはさすがに焦燥しました。

なわけでちょっと自重してるという。

この店はごっつうまいですよ。
献立も何もかもそそりますし、
パンとワインの組み合わせがお好きなら多分気に入っていただけると思います。
お近くに起こしの際は是非いらせられませ。

では
ネコタ斑猫 拝

No title

はじめまして!いつも楽しく頼もしく拝見させていただいてます。
やっぱり、自分が美味しい物を食べるってのは、好いものですよね!
でも、ご飯のときのお酒って左党にはしあわせそのものと思いますが、
どうなんでしょうか?

自分はパンとワインの組み合わせに、えもいえぬ物を感じておりまして、
東京駅地下の酒屋でパンがおいてあった頃は、残業で晩飯が
食えなかった時に車内で食べたのに思わず幸せを感じてしまいました…

つい、恥ずかしい事をかきこんでしまいました、これからも楽しみにしております。
プロフィール

ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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