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職場近くに平将門の首塚があるので詣でて来た。

大手町はフジサンケイビルの左の角を曲がり、皇居に向かう道の右手、見上げるようなビル群の間に取り残された静謐な空間。
先んじて詣でた職場の同僚の
「不思議なんですよ、朝九時くらいなのに、サラリーマンの人が何人も来てお参りしていくんです。
お花も新しいのが供えてあったし…。」
という話に痛く刺激され、そういやぁ勤めはじめのころから近所にあることを知って一度訪ねようと思っていたのに訪ねておらなんだ、と立ち寄ることにした。

自分が詣でた折も異様な光景があった。

立て札なぞを見回っているうちになかなかに立派な黒塗りが敷地の前に駐まった。
だが誰も降りて来ない。
迎車か何かかと思いながら気が済むまで見物し、境内を出たのに合わせるように二人の男性が降りて来た。
そのまま首塚に向かい熱心に拝んでいる。

(あれはどうしたって自分が立ち去るのを待っていた様子)

仄かな違和感を覚えながら少し歩き、ふと別件の疑念に押され立ち戻った。

首塚の周りにどうも蛙の置物ばかりあったようで、それを急に確かめたくなったのである。

件の二人連れは丁度お参りを終えたところのようで、今度は私のことなぞ気にせぬ様子、車に乗り込みそのまま何処かへと走り去っていった。

私は再び首塚を見物した。鳴る程花は新しい。少なくとも三日以内に活けられたものと見える。香炉に供えられた一把の線香から煙がゆるゆると立ち上っている。賽銭箱の上にストラップから取り外したような極小さな合成樹脂の蛙が一つ。その右手にはやはり小さな焼き物の蛙、首塚をぐるりと取り巻くように大小の信楽の蛙がいくつか据えられている。

さて将門については若い頃少しばかり読んだことはあるが蛙とのゆかりはとんと記憶にない。調べねばと思いながら再び境内を後にした。

職場に戻り、「将門の首塚」で検索したところ、二つの謎はじき合一し氷解した。

将門の首級は京都で曝されたがこの地に飛んで帰ってきた。その帰ってきた首級の落ちたのがこの首塚の辺りである。
元居た地に帰ってきたということで、左遷された会社員が元の会社に無事帰れるように祈願する、首塚とはそういうところであり、また蛙の置物は「帰る」にかけた供え物であるとのことよ。
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ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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