ノークレーム・ノーリターンはどこから来たか。

ネットオークションでは「瑕疵のある場合を除き返品は一切受け付けません(民法の規定で瑕疵のある場合は返品を保証されているためこれはお客様都合の返品不可と解釈される)」に相当する文言として頻用されているノークレーム・ノーリターン。
が、当たり前だがこんな表現は英語圏にはないわけで、では相当する表現はどのようなものかといえば
All Sales Are Final
あるいは
No Refunds
つまり
取引はこれにて終了
返金しません
ということになる。
(参考:All Sales Are Final! The Nightmares of Bad Customer Service « Lisa Page’s Home Business Blog
が、まぁ上の頁でもそんなつんけんした態度じゃお客はついてきませんよ、もっと顧客満足をアピールしないとまずいですよ、という話がなされているのだが。
じゃあなんできちんとした英語があったとこにこんな和製英語が作られたか。

クレームっていうのは本来の「主張」を離れて日本ではわりと言いがかり的な意味合いを持たされている。
で、こっちは個人なんだから、事業者ほど行き届かなくてもしょうがんないのわかってるでしょ? 変ないいがかりつけないでね、というニュアンスを含んでノークレームという語句がまず成立したんではないか。
次のノーリターン。
これ、
No Refunds
であるべきだが、
Refund
というのは日本人になじみのない表現なわけで
返金しないってことは返品を受け付けないってことでいいんだよな
じゃあ
No Re までの響きは同じだし
No Returnでいんじゃね?
とわかりやすいダメ方向に改変しちゃったのが始まりなんではないかと考え至った。
もちろん単純に
返すな
を和製英語に翻案しただけという可能性の方が高いわけだが。

さらに
「取引はこれにて終了」
「返金しません」
という出品側主観が、いつの間にか
「クレームもしないし返品もしないよ」
という落札者側主観の表現に転倒しているのがまた妙に日本的な感じがして面白いわけで。

で、それはそれとして
最近は
ノークレノーリタ
とか
NCNR
とか
ノークレームノーリターンノー希望
とか、
和製英語なりの亜種が発生してて、いやほんとに日本というのは融通無碍な国であることよ、と感慨したのであった。


nni's blogさま、記事の紹介ありがとうございました。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

理不尽な結果に!

ほんとお気の毒でしたね。自分は精密機器はおっかなくて買えません。CDですらどきどきしながら買ってます。傷いってたらどーしよー、とかね。
でもオークションには一般の店舗にはない商品がありますよね。自分はもっぱら探しにくい本やらフィギュアやらを買うのに使ってますが、大変便利です。
自分と同じ倫理で生きている人だけがいるわけじゃない世界で、たぶん実店舗だったら立ち入らないようなあやしげな店に入っちゃったようなもんかも知れません。難しいですなぁ。
でもライカに比べたら被害は少なかったということで('A‘)
では事後報告までありがとうございました!
ネコタ斑猫 拝

結局は・・・

返信ありがとうございます。

結局は・・・泣き寝入り、でした。返品を受けるような出品者ではなく、運送屋さんの責任でもないので、自分でカメラ屋さんに修理に出して、直ってきたのを知人に事情を話して半値で譲ったのですが、それでも直ぐ同じ箇所が壊れたようです。もちろん、弁償いたしました。信用はカネより大事ですから。

それ以降も、その出品者はライカのカメラを出品して、20万で落札した人と同様のトラブルを起こしていました。私には、顔を合わせることがないネットオークションとはいえ、信用とか誠実とか眼中にない人間がいる、などとは信じられない思いです。そういう不心得者がいるから世間で「ネットオークションは怖い」と言われることにもなります。

ま、そういう痛い思いをしても、私はネットオークションが止められませんが。

以上、ご報告です。

poohpapaさま、コメントありがとうございました。

それは多分裁判をやれば勝てたと思いますが、そんなコストをかけられないというのが現状ですよね。
個人の出品者には「素人なんだから事業者ほど行き届かなくてもよい」と認識している人もいるわけで、なかなか難しいわけです。んが、事業者となれば特定商取引法の管轄になりますが、個人でも売買契約は民法の管轄になるから隠れた瑕疵について責任をとらなくてはならないのは当たり前なんですよね。このあたりの誤認についてはノークレーム・ノーリターンという言句が普及してしまったところにもいくばくかの原因があるんではないかと。
一方ではおっしゃる通りお客様は神様扱いを求める買い手もいるんでしょう。でもpoohpapaさまの取引した方はやはり不誠実といわざるをえないと思うのです。
五万円は大きうございましたね。
その後、結局返品に至ったのか、自費で修理に出したのか、運送屋さんに補償してもらったのか、知りたいものでございます。
では
ネコタ斑猫 拝

NC -NRで思い出したこと

初めまして、nniさんのサイトから来ました。

よくある和製英語の間違いについての記事かと思われますが・・・、「ノー・クレーム、ノー・リターン」に反応してコメントさせて頂きます。

以前、オークションで完動品と謳っていたカメラを5万円で落札し、その時の断り書きにも「ノー・クレーム、ノー・リターン」と在りましたが、到着した時点で壊れていたので出品者に連絡すると、「出品した時点では壊れていなかったからクレームは運送屋に言ってくれ。だいいち『ノー・クレーム、ノー・リターン』と謳ってあったハズ。文句があるなら訴えればいい。ただし裁判所は福岡(私は東京在住)になるよ」、とのこと。

「ノー・クレーム、ノー・リターン」と言えども完動品と謳ってあるなら「初期不良は別」でしょう。

たまたま不誠実な出品者に当たっただけかも知れませんが、以来、「ノー・クレーム、ノー・リターン」と謳ってある出品は入札を躊躇います。ま、圧倒的に多いのが実情ですが。

裏を返せば、些細なことでクレームをつけてくる落札者も多い、ということでしょうね。

英語の間違いもさることながら、本来の意味や道理を取り違えている人が多いことも嘆かわしいことだと思っています。
プロフィール

ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
検索フォーム
最近の記事
カテゴリ
リンク
最近のコメント
月別アーカイブ
RSSリンク
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

最近のトラックバック