ようやく子どもとの共通言語となしうるサッカー漫画にめぐり合いました@GIANT KILLING

キャプテン翼は少年マンガとしての読み応えは十分だが非現実的にすぎ
シャンペン・シャワーはチームのあり方は相当にリアルだがやはり戦略がお茶目に過ぎ
2ちゃんねるまとめサイトの最高のサッカーマンガスレを逍遥したがぐっと来るものがなく
子どもとの共通言語として本採用したくなるマンガなぞこの世にないのか! と絶望していたところ。

出会った。

GIANT KILLLING

モーニング連載中の、サッカーチーム監督を主人公としたマンガである。

なれそめはR25の記事。一読した途端
「これこそが私が探していたサッカーマンガである」
という確信がむくむくと立ち上がり、その日の昼休み、本屋に行って全巻大人買いしてきた。
そうして予感は当たった。

多くのサッカーマンガは、記事どおり選手を主役としている。
それらにおいてチームメイトやチーム、サポーター、監督、運営母体などについて描かれることがあったとしても、所詮選手のまなざしや文脈から大きく逸脱することはない。
そしてそれは、既に選手が知っているまなざしであり文脈だ。
既知のことを知らせる役は私にはない。
子どもたちが持てないまなざし、文脈を知ることのできる、そのような共通言語を、私は欲していたのである。

シャンペン・シャワーは、
「プロのサッカー選手」
をかなり大枠で切り取って描いてくれた点で、私にとってはかなり上記の条件を満たしていたマンガだった。
ていうかそういうの抜きに面白くてしょうがんないんだけど、やはり子どもに読ませたいと思った第一のモチベーションはそのようなものであった。
ただ、いかんせん、現役の選手には実用的でない。
全面的にお茶目に過ぎるのである。(褒めてます)

個人の練習の大切さや戦略、才能や資質をどう生かすか、チームメイトとの関係、監督の指示やまなざし、移籍についての葛藤など、そういう、例え幼くとも既に選手が類推しうる視点での物語はいくらでもあった。
そうじゃない。
選手に見えないものを見せてくれ。
それを伝えるための共通言語をくれ。
それが私の、このマンガに出会うまでの、未詳の欲動であった。

幼くとも、チームに所属するサッカー選手には、
点として動く自分
線としての現在から将来
平面としてのサッカーの試合
は直感できるだろう。

だが、
チームの中の自分が傍からどのように見えているか
そして
自分が今身を置き、ことによると将来身を投じてゆくかも知れないサッカーの世界
がどのようなものであるかについての恐ろしく奥行きある三次元的な構造は、直感では到底得られないだろう。

GIANT KILLINGは、監督が主人公だ。
35歳、現役で活躍していてもおかしくない年齢の元エースが、英国のダメアマチュアクラブをプロチームに勝てるほどに育て上げたところから物語は始まる。
描かれるのは、国内の地元密着型の貧しく弱いクラブチームとそこの元エースであった監督とのやりとりだ。
選手・キャプテンは勿論、広報やサポーター、チーム運営母体、さらには日本サッカー界がどのようなものかまで、流石はモーニング連載らしく、ぞくぞくするような確からしさで描かれている。
そうして戦略がリアルだ。チームとして勝つために誰が必要なのか? 誰が何を求められているのか? そもそもチームとは何か? が直感できるような(それでいて十分にヒロイックな)ストーリィ。
だが、自分が一番ぐっときたのは、下のコマであった。

giantkilling.jpg


子どもたちにはこのようにあって欲しいと同時に、子どもたちをこのように見るまなざしがあることを知ってほしかったのだ。
お前たちを見ているまなざしがある。
それは監督でありベンチにいる友達であり手伝う保護者役員であり或いはもっと上の誰かである。
なんであれ、お前たちは常に見守られている存在であり、そうであれば自分で考えている以上に強くなる可能性を潜めているということを。
お前たちの好プレイが、誰かを確実に励起するかもしれないということを。
そのことを知らせたくてこのマンガを推奨するのである。

とりあえず上の子同学年の選手全員に回すぜオラァ!
コーチにもお貸しするぜオラァ!
監督やコーチのお仕事を理解しきっていなかった自分がお恥ずかしいぜオラァ!
じゃなオラァ!

綱本将也さま、ツジモトさま、超有用にして超サイコーなサッカーマンガをありがとうございました!
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ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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