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あなたが読んでいるこの文章は、私という一人の体験者が書いたものです

先日書いた
私家版美味探索記事心得
という記事に対し
mobanamaさまから
「主張は分るが-なら口を噤むだけでは情報としては片手落ちだと思う。その代わり極力その認識に至る背景を伝える努力はすべきであろうなあと自省。 」
というはてなブックマークコメントを頂戴した。
(片手落ちはピーな用語なので余り使うに気が向かないが引用する)

記事では
「口に合わなければ記事にするな」
という信条を前面に押し出し、その理由やそれに纏わる体験をつづらせていただいた。

さて、私は件のブックマークコメントを頂戴して非常に困惑した。

私は一人の体験者としてこのブログを運営し、記事を書き続けている。
その体験者としての文脈の中で選択したのが
「口に合わなければ記事にするな」
という信条である。

が、mobanamaさまの読み方において、私は一人の体験者というより
「情報の提供者」
という中立的で無機的な存在であり、そこにおいては
「情報を必要としている読み手のために、たとえ自信の信条に合わずとも、少なくとも美味探索記事を書くに当たっては、美味不味に関わらず全ての外食体験を記事にすべきである」
という期待があるようだ。

残念だけれどもその期待に応えきることはできない。

私が世界に提出しうるのは、「情報」ではなく、私の個人的な体験とそこから導き出しうる小さな結論に過ぎないからだ。

先の記事でも述べたとおり、「店で出されたものを食べる」というのは極めて個人的で刹那的な体験である。
私が美味いと思ったものをあなたが美味いと思うか、私がここちよいと思ったもてなしをあなたが心地よいと思うか、保証はできないのだ。
それでも記事にするのは、単純に、そのような美味さとそのようなここちよさが私以外の人でもその店で何度も繰り返し体験できるであろうという見込みがあるからである。
それを認めない限り、美味探索記事そのものがなりたたなくなってしまう。

また、mobanamaさまの記事への期待値と一人の体験者としての信条の齟齬を抜きにしても
「口を噤むだけでは情報としては片手落ちだと思う」
という文言には更に困惑する。
これは言葉を補うと
マイナス情報について語らない(口を噤む)ブログ(続く片手落ちという表現から、また一店舗の評価について口を噤むという前後の文脈、またmobanamaさまが私のブログ記事をよくはてなブックマークしてくださっていることから推察して、「情報」という文言を一つの店についての情報というよりも情報体系、即ち特定のブログ全体と推察した)は十全なものではない(片手落ちだと思う)」
と解釈しうるからだ。

この十全さへの期待に応えるのは難しい。
信条云々を抜きにしても、正直、投資しうる時間や気力も限られている。
物理的な制限の中で、
自身のブログをどのようなものにするか
即ち
自身のブログにどのような制限をかけていくか
ということを考えると、情報体系としての十全さのために不味な店の情報を載せるよりも、美味な店についての記事そのものの十全さのために時間や気力をかけてゆきたいと思うのだ。

というわけで、mobanamaさま。
いつもはてなブックマークしてくだすって、ありがとうございます。
私は今後も、残念だった店についての記事を書くことはないと思われます。
そうしてその理由について、もう一つ、先の記事で触れなかったことをここに記します。
私が
「口に合わなければ記事にするな」
という信条を持つにいたったもう一つの理由。
それは
他の誰かが書いてるから
なんです。
既にウェブ上でそしりを受けているなら私が其の上にそしりを重ねる必要はないでしょう。検索で当該記事にたどり着くことは可能です。
そしてもし検索してそのような記事がなければ、やはり、個人的な体験であったのかも知れません。

私は一つの店に行く前にウェブでひつこくその店について検索します。
で、その店についての評価がどうであれ、とりあえず行って見ます。
その上でそのときの評価以上の体験をしたならば、私は大いに記事にします。
が、一番熱意をこめて記事にする店とは
「新しくできたばかりでウェブ上にまだ評価が上がっておらず、にも関わらず美味でよいもてなしの店」
です。
そのような店は多くの人に知ってもらわねばなるまい!
その動機が私に筆を走らせるのです。

私はウェブ上で多くの人の記事を読み、それにより賦活されています。
だから私も誰かを賦活する記事を書きたい。
それは美味探索記事においても同様です。
たとえこちらが金を払っていようとも、それが口に合わずとも、作り手には敬意を払いたい。
すばらしい食体験を提供してくだすった店においてはなおさらです。
それがおおむねの私の制限です。

もちろん落ち込んだりくじけたりして賦活とはいいがたい記事を書くこともありますが、そのあたりご勘弁ください。

あなたが読んでいるこの文章は、私という一人の体験者が書いたものなのです。
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ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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