新しくなった逗子駅の身障者用トイレのこと

朝方並んで待っていると、突然警報が鳴る。
暫くの間鳴り止まず、この小忙しい時間に慌てて駅員さんが駆けつけ、中を改めると誰もいない。
首をかしげながら戻ってゆくのも改築して一月ほどの間のことだった。

今も警報は突然鳴るけれども、もう駅員さんは慣れてしまったようだった。
当然修理を何度も依頼しているだろう。それでも未だ解決に至っていないということは専門家にも直せないということなのだ。
といってものがものだから切ってしまうわけにもいかない。
それでそのまま放置して、鳴る都度中を改めにゆくことになったようだ。

さてこういう理屈に合わない現象に怪談を被せてわかったような気になるのは、ヒトとして非常に妥当な納め方なんだろう。
原因が不明であるという状態のままでいるのは、案外宙ぶらりんで落ち着かず全体気味悪いことだからだ。
いっそ「解体前の古い身障者用トイレで暴行事件があったが警報は長く壊れていたため被害者はそのまま亡くなった。今突如鳴るのはその被害者の霊が無念がり、壊れていないかを確かめようとするからだ」などというナンセンスな理屈をつけたほうが非科学的でも意味を持つだけ脳の居心地としてはましなのだろう。

そうやって霊やら魂やら妖怪やら妖精やら神やら悪魔やらの文化は生まれてきたんだろうと思うんである。
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ネコタ斑猫

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  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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