スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

かいだん

わけあって在宅介護の本を読んでいる。
その中に、姉妹で母を在宅介護していたが、骨折がもとでなくなった、という体験談が寄せられていた。

介護を受けていた母親は、階段で二回転びその度に骨折している。
一回目は半月後に回復したが、二回目はその骨折が原因で寝たきりになった。
そして三回目。
姉妹が
「夏のお風呂に母を入れた後に、階段で姉と私がシーツを担架がわりにして母を二階の部屋へと連れていく途中に「大腿骨骨折」をさせてしまい、それが原因で、母は高熱を出してこの世を去りました」
という。
寄稿者は
「今、いろいろな事情で介護をされている方たちも、どうぞ愛情を忘れずに、辛い事もたくさんあるでしょうが、悔いのない介護をしてあげてくださるようにと、願わずにいられません」
と結んでいる。
が。
私はこの体験談が恐ろしい。

階段。
「母」が二回も骨折する原因となった階段。骨折のほかにも危ない場面は多くあっただろう。そして「シーツを担架がわりに一階と二階とを行き来する」という危うさ。階段を担架に人乗せて昇降するのは、プロの救急隊員でも苦労するのではないか。それをおそらく年配の女手二人でやってのける危険性を、誰も気づかなかったのか、誰も指摘しなかったのか。

何故「母」の部屋を一階に移さなかったか。

寄稿者の方にどんな事情があったかはわからない。が、一階に風呂があったのなら部屋も一つくらいはあっただろう。何故そこに「母」を移さず頑なに二階にこだわったのか。あるいは危なかろうと住み慣れた部屋のほうがよかろうという無心な配慮か。
そうだとしても、やはり二度も事故を起こしたのなら、「母」の暮らしから階段は取り除くべきだったのではないかと思うのである。

かいだんのかいだん。
人が頭で拵えた物語より、ほんとうのほうがおそろしい。


いくつかコメントを頂戴しまして、そのお返事。
「環境が変わることはしばしば高齢者に致命的な影響を及ぼす」
という話については、私も承知しております。
それゆえにこの件が苦渋の選択の結果であったことも、想定しております。
んが、そうであっても、やはり
「階段をシーツを担架にして高齢の姉妹で運ぶ」
というのはあんまりにもあぶなかしい。
正直読んだだけで具合が悪くなりそうです。

このかたがたが介護に携わっていた頃に比べ、今は公的なサービスも増えたようなので、こういう顛末で亡くなるひとがいないといいなぁ。
ひたすらにそれを願うばかりです。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
プロフィール

ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
検索フォーム
最近の記事
カテゴリ
リンク
最近のコメント
月別アーカイブ
RSSリンク
全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

最近のトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。