パンがなければお菓子を食べればいいじゃない、と母は言った。

第一子の勉強が一時期テンパってしまい、思いつめた私は母に来てもらい相談した。
理科と算数に関してはお母さんと一緒にやや発展的な内容を含んだ問題集を勉強することができる。ただ漢字が非常にダメで練習することすら嫌がる。
といって塾や公文には行きたくないという。お母さんにお勉強をみてもらうのがいいと言っている。そしてその気がなければ例え入会してもこいつはホンキでサボるだろう。何しろ私自身もサボった経験があるもんでその行動パターンは実によく想定できる。
というわけでほんとうに困っているのだ。
と明かしたら
「家庭教師に来てもらえばいいじゃない」
と言われた。

いやもう、マリー・アントワネットが
「パンを食べればお菓子を食べればいいじゃない」
とのたまったことを伝え聞いたパリ市民の気持ちがよくわかった。いやまぁ台詞は捏造だけれども。
あらゆる教材購入前に吟味に吟味を重ね今のところ学習面でのローコストハイリターンに見事成功している私に家庭教師とな!
いやーん。

しかし母は偉かった。家庭教師代出してくれるっていうんだもの。大手の家庭教師派遣会社からお兄さん的な家庭教師呼びなさいっていうんだもの。知り合いのツテは切れないからダメだとか一所懸命考えてくれる。
うん。ありがとう。ほんとにありがとう。
でもね。

家庭教師派遣会社のサイト見てみて、考えた。

うちは別に中学受験させるつもりはない。金がないから。
で、勉強の習慣がついてないわけでもない。お母さんに勉強を見てもらうということそのものを拒否するわけじゃない。お母さんが帰ってくるまでに兄弟二人メキメキモンスターで計算の練習してる。漢検DSの検定もやってる。ひみつシリーズは兄弟二人のマイブームだ。お母さんの手ごたえとして、この子はけしてバカじゃない。勉強の習慣が身に付いていないわけでもない。ただ、漢字が苦手なだけだ。
そのために、そのためだけに、家庭教師というのはどうなのか。

だが母は譲らない。この子は読解力もないんじゃないか、という。なんでも一年前に何かしらの本を読ませて、そのときの感想がどうもはっきりしなかったかららしい。

うーむ。

母の気持ちは大変ありがたい。特にいいっぱなしにせずお金の世話までしてくれるというのはほんとうに稀有なことだ。母は家庭教師の先生に漢字を見てもらったりしながら「全般的に通用するちょっとした勉強のコツ」を教えてもらう、というような絵を描いているらしい。だがやはり私はどうも違うと思うのだ。第一子の状態は、家庭教師というハイコストをかけねばならぬほど深刻ではない、と。
とりあえず母を大人しくさせるために資料を取り寄せながら、子どもと一緒に漢字の無理のない練習の方法を考えた。
で、やはり漢検DSを活用するということで落ち着いた。

漢検DSのトレーニングの書き取り1というのが、10問ずつで程よく無理がない。
子どもが今越えられない検定が8級である。
なので、書き取りを中心に、自分で検定をやって苦手だなと思った方面を補完するような形ですすめてゆこう、ということになった。

なんとかこれで済ませたい。
母の気持ちはありがたすぎるほどありがたいが、やはり自身の信条としてローコストハイリターンにテッテ的にこだわりたい。
人のお金であっても、遣わないで済むものは遣わないで済ませたい。
というわけで、なんとか漢検DSで漢字を底上げして
「だいじょーぶだったよ」
と母を安心させることが、私の当面の目標なんである。

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なるほど!

こちらこそはじめましてコハリトさま。そちらのブログ拝見してデキコンという共通項を見出し変に嬉しくなっております。うは。
なんというか、うん、コハリトさんは字が綺麗そうですな。自身は大変な悪筆で子どもの方が圧倒的に字が綺麗でそれはよくほめております。大きくなったら隷書とかやりたいなーとか思って古本でテキスト買ったりしてるんですがもうおっきいよ自分! というわけで忙しくてそういう暇もありませぬ。
「文字の線美や面割バランスの美しさ」うん、この視点はなかった。単品で水墨画的に鑑賞に堪えうる美しさが確かに漢字にはありますな。アラビア文字とかも綺麗だけど。美しい字というあたりでちょっとせめてみようと思いました。
大人になって数をこなすと漢字というのはパーツごとのパターン認識でなんとかなるもんですが子どもには経験が足りんのでそれができない。というわけで今は子どもに漢検DSやらせながらそういうパーツ分解のパターンを横から教えております。あとは折角立派な字を書くので硬筆的にほめてみます。いや、思わぬ視点からの助言ありがとうございました! またのお越しお待ちしております。
ネコタ斑猫 拝

練習のベクトル

 ネコタ斑猫さん、こんにちは。マリーアントワネットの指摘に笑いました。確かに。
>ただ漢字が非常にダメで練習することすら嫌がる。
 漢字の書き取りは何度も書かないとなかなか身につかない、つまり、数をこなす練習ではありますが、同じ「数をこなす」にも、算数のようにたくさん解いて正誤で競うのではなく、練習のベクトルを美醜にしてみてはいかがでしょうか。
 漢字の練習は、いやおしなべて文字の練習というものは、線の引き具合と線分割・面分割の割合で形の良しあしが決まる。バランスの良いカッコいい字を書くためにお手本を見ながら、何度も繰り返し書いて身につけるという一面もあるのではないかと思うのです。
 習ったばかりの書き慣れていない漢字はバランスもイマイチだったりしますよね、せっかくお子さんも「お母さんに見てもらいたい」と言っているのですし、合ってた、間違えてた、ではなく、カッコいい漢字、上手い漢字が書けた!ときにお母さんに誉めてもらえたら嬉しくてたくさん書くようになるかもしれません。正誤だけではなく、文字の線美や面割バランスの美しさ(日本語文字の楽しさ)を習得して欲しいなぁと思います。ちょっと話が遠回りになる気もしますが、お習字もいいですよ、うちの子は筆と墨で字を書くとえらい楽しいみたいですよ。漢字というものへのストレス発散になるかもしれませんね。
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ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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