身近に居た野良妊婦

昨今の産婦人科問題については色々考えてたんですが、こちら情報格差とかと絡んで読んで非常にためになるのでご紹介。

情報格差──これから始まろうとしている本当の格差社会

自分が2ちゃんねるや個人ニュースサイトさんに求めているのはまさにこういうことで、マスコミのフィルタのかかってない現場からの報告が読めるというのはウェブならではだと思う。

以前民俗学関係について勉強していた頃は、骨董やで個人の和とじの日記なんかを探してそういうところにたどり着こうとしていた。本にならない個人の所想を求めるにはそういう方法しかなかった。特定の仕事を調べるにもつてを辿ってインタビューするのが一番の早道だったりした。今はウェブでおよそのことはわかる。あくまでおよそだけれども。すごい時代だ。

で、野良妊婦というのは、簡単にまとめると
定期健診に行かない妊婦さん
のことである。(2ちゃんねる方面ではもっとえげつない意味になってるけど)
産科崩壊 産科未受診妊婦が救急搬送されてきました(天漢日乗)
で、一連の記事をまたまた乱暴にまとめると、
現在産婦人科は訴訟沙汰をおそれて数が少なくなってて自分とこの患者さんで手一杯、その上で経過がどうなってるのかわからない野良妊婦さんが緊急搬送されてきても情云々でなくきちんと応対できる道理がない
というような話である。自分はテレビや新聞をほとんど見ないのでこのあたりの報道がどうなっているのかわからないが、これだけウェブで問題になっているので少しは振り戻しがあったらいいなぁなんて思ってる。
で。
そんな野良妊婦なかなかおらんよなぁ、と思って職場で話したら、いましたよ。大学の先輩でもあるH先輩。
二人目産む時に病院行って
「二回目ですか! 」
と看護婦さんに叫ばれたと。で、それを二人目という意味だととって何を驚いているのだろうと思ったが、あれは
「私が一回しか健診受けてないことに驚いたって意味だったんだねー」
としみじみ。
いや、そこしみじみするとこじゃないから! と小心な私なぞは色を失くして全力で突っ込み
「心配じゃないんですか! おなかの赤ちゃんちゃんと育ってるかとか! 」
と叫んだところ
「うん、反省した、他の人にはちゃんと行くように言ってるよ」
とのお答え。
定期健診受けるのは妊婦の常識だと思っていた自分をなんとなく恥じてしまったのだが。

で、なんで行かなかったのかと言うと
「毎回6000円くらいして高いから」
とのこと。
そ、そんなに貧乏だったのか…!
まぁね、保険きかないしね。
エコーとかもね、毎回薄黒いもやもやしたもん見せられてね、ここが手ですとかね言われるのもね、別に省いちゃっていいんじゃないかな、とか思う人もおるかもしらんよね。検査料だってバカにならんだろうしね。それでわかることが多いからお医者さんはその検査をやってくださるんだろうけれども、問題がなければないほど「あの検査は必要なかったんじゃないか」なんて考える人がいるのも想定できる。
でもやっぱりわからん。まるっと省いちゃう気持ちがどうにもわからん。敗北した。なんとなく毎日ずるずる先延ばしにしちゃう心理はほんのちょっぴりわかるような気もするけど、いざ出産のときに子どもが大変なことになってたりしたらどうするのか。何らかの事前処置で治るものを放置したためにとりかえしのつかないことになっていたらどうするのか。

なわけで、自分にはどうしても野良妊婦の心理の壁は越えられず、「自分とこの妊婦さんで手一杯で緊急搬送の野良妊婦なんて恐ろしくて見れません」という産婦人科のお医者さんの意見には深く同意してしまうのだった。

自分が産んだときのことを思い出してみる。
夜中に陣痛が来て、元ダンナに病院まで送ってもらった。助産婦さん二人がついてくだすったけれども首んとこにへその緒が巻き付いててなかなか出てこなかった。そのまま担当のお医者さん待ち。多少出血して(200ミリリットル)担当のお医者さんが来たときには意識が朦朧としていて、すぐに処置してもらって無事生まれたのだけれども13時間戦って難産ではないけれどもへなへなになり、手をあげることすらできなくなっていた。そのとき私はお産で死ぬという可能性を実感した。現代じゃなかったら死んでたかもしらん、そんなことを思った。
人間にとってどうにもお産は大事業だ。他の哺乳類はこんなに難産なのかお産のときたまに死んじゃったりするのかその比率なんかの詳しいデータを知りたいけれども(そういやぁそういうのあんま見たことないなぁ)とにかくおはちの大きい人間にとって骨盤通るは人生最初の難関であろう。そうであればそれをサポートしてくれる産婦人科のお医者さんにも尽くすべき礼がある。子どもと自分二人ながら診てくれるお医者さんが困らないように患者として母体としてできるかぎりのことはやっておくという責任。

で、結局のところ、H先輩のお子さん、無事に生まれたわけで、ほんとによかった。それで考えたのだが、毎月の定期健診どうしてもはしょりたかったらやっぱり自分で判断するより、お医者さんに事情話してどういう風にすればいいかぶっちゃけて話したほうがいいと思う。でもそういう風に話せる人はそもそもはしょらないだろうし、はしょる人はその行為に疑問を持たないからはしょるんだろうし、ああもう出口が見えません。そして外様である私にすら見えない出口はきっと現場にはもっと見えない。誰か助けて。

あと、リンクさせていただいたらばQさんの記事では


ネットを利用できる子供たちは、学校で教わることよりも深くて広い知識をネットを通して身につけて行くでしょう。

そうなれば、学校や教師は必要無くなります。少なくとも義務教育レベル、もしかしたら高校レベルの知識は、10歳程度までに身につけてしまうかもしれません。大学の一般教養レベルにも達する可能性すらあります。


とありますが、自身はここについては異なる意見を持っております。
念のため付記しておきます。
自身の学校および教育についての考え方
今の時代、学校という場に何を期待しうるか


駄文にゅうすさま、記事の紹介ありがとうございました。
あにゅ~るさま、記事の紹介ありがとうございました。
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ネコタ斑猫

  • Author:ネコタ斑猫
  • オリジナル百物語サイトバー理科室の管理人。本家サイトでは400字×20枚内読み切り短編連載中。死ぬまでに千物語を完成させるのが目標。
    プロフ画像は山田芳裕著「へうげもの」より。古織いいよ古織。
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